甘みと辛みのいいとこ取り。愛知・丸石醸造「二兎 純米 萬歳 七十」の心地よい調和
酒器に注ぐ際、ふと目に留まる可愛らしいラベル。二羽の兎が向かい合い、一穂の稲を大切そうに抱える姿が描かれたこのお酒は、愛知県・丸石醸造が手がける「二兎 純米 萬歳 七十」です。

「二兎を追うものしか二兎を得ず」という言葉を掲げるこの銘柄は、相反する味わいの要素を高い次元で両立させることを目指しています。実際に口に含んでみると、まず驚かされるのはその質感です。舌の上を滑るようなトロリとしたテクスチャーがあり、お酒の持つ豊かな個性が優しく伝わってきます。
味わいは、甘口と辛口のまさに「いいとこ取り」。柔らかな甘みが広がったかと思えば、後味には心地よい酸味とほのかな苦みが顔を出し、全体をきれいにまとめ上げてくれます。この酸味と苦みの調和が絶妙で、次の一口が自然と楽しみになるような、飽きのこない構成です。
しっかりとした飲み応えがありながらも重すぎず、どんな料理とも寄り添ってくれる懐の深さも魅力のひとつ。和食はもちろん、少し脂の乗ったお料理や洋風の味付けにも、このお酒の持つ酸が心地よく響きそうです。
日本酒に馴染みのない方でも入りやすい、柔らかで親しみやすい口当たり。それでいて、飲み進めるほどにその奥深さに気づかされる。そんな「二兎」の魅力を、ぜひ日々の食卓でゆっくりと確かめてみてください。
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