「伊根満開」の鮮やかな紅。古代米が紡ぐ、甘酸っぱく新しい日本酒の形
カウンターに運ばれてきた瞬間、思わず目が釘付けになりました。グラスに満たされているのは、まるでロゼワインや果実酒のような、深く透き通った赤色。これが日本酒だというのだから驚きです。京都府伊根町にある向井酒造がつくる「伊根満開」は、その名の通り、食卓にパッと花が咲いたような華やかさを持ち合わせています。

この美しい色の秘密は、原料にあります。地元・伊根町で復刻栽培された古代米(紫黒米)を配合して醸されることで、この世にも珍しい赤色が生まれるのだそうです。ラベルに目を向けると、「舟屋の里 伊根町 漁師町」という文字。静かな海沿いに並ぶ舟屋の情景を思い浮かべながら、このお酒を手に取る時間は、どこか旅をしているような心地にさせてくれます。
実際に口に含んでみると、これまでの日本酒のイメージを心地よく裏切ってくれます。広がるのは、もぎたての果実を思わせるような甘みとフルーティーな香りの余韻。甘酸っぱく、さらりとした口当たりは、日本酒をあまり飲み慣れていない方でも、きっと自然に「美味しい」と感じられるはずです。この鮮やかな色合いには、ポリフェノールやカテキン、ビタミン、ミネラルなども含まれているとのことで、健やかな気分で杯を傾けられるのも嬉しいポイントですね。

楽しみ方が幅広いのも、伊根満開の大きな魅力です。キリッと冷やしてそのままで味わうのはもちろん、氷を浮かべてロックにしたり、ソーダで割って軽やかに楽しんだりと、その時の気分や料理に合わせて表情を変えてくれます。さらに、意外にも熱燗にすることで独特の風味がふわりと立ち上がり、深みのある味わいを愉しめるのだとか。冷たい温度から温かな温度まで、自分だけのお気に入りの飲み方を探してみるのも、このお酒ならではの贅沢な時間になるでしょう。
伝統的な酒造りの中に、新しい感性が息づく「伊根満開」。今までにない全く新しいタイプの日本酒との出会いは、次の一杯を選ぶ楽しみをさらに広げてくれそうです。






